interview移住者された方へ

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秩父に夫婦と子供二人で移住され、現在仕事と子育てに奮闘されている早坂さんに、秩父の移住を決断された理由、秩父に住んで感じたこと等をお聞きしました。

早坂あやさん 千葉県出身 秩父市阿保在住(移住約6年)

Q: 秩父に移住することになったきっかけはなんですか?

 

A:

高校卒業後、看護師を目指し、いくつかの看護科学校のパンフレットを見ている時、直感で秩父看護学校に決めました。

看護学校卒業後、一度千葉に戻り3年間大学病院に勤務していましたが、秩父のことが忘れられず、秩父に戻りたいという気持ちが強くなりました。

また、深谷出身の主人とは、秩父看護学校で出会い、看護学校卒業後もそのまま秩父で勤務していました。

その後、結婚を機にどこで子どもを育てたいかを考えるようになると、自然にふたりの意見は「秩父」で一致。

子育てをする場合、都会のように英才教育や施設が整っている土地で暮らすことも考えましたが、やはり秩父の自然には敵わないと思いました。

空気も美味しい、水も美味しい、人もやさしい。

「なんか秩父いいよね。」

と二人の気持ちは一緒でした。

秩父にずっといる人は、なんで秩父に来たの?とみんな言うけど、

外から来た人から言わせると、「なんで秩父に残らないの?」と思います。

 

Q: 秩父の人たちをどう思いますか?

 

A: 

秩父に住んでいる人との距離感は、最初はお互いの距離が遠いんだけど、ちょっとでも話をすると、ぐっと距離が縮まる瞬間があります。
そうなるとどんどん距離感が近くなり、壁のようなものが一気になくなりました。

地元の野菜を買ったりすると、そこの方と仲良くなった時に、「祭りの時に来いよ。」と気さくに言ってくれたり、神輿を担がせてもらったりもしました。
そういう声かけが嬉しかった。

地域と繋がるというのは自分からは行きづらいけど、ちょっと話しただけでも、声をかけてもらえるというあったかさがあります。

Q: 秩父の子育環境に関してどう思いますか?

 

秩父は児童館がいいですね。
千葉のは小さくて狭くて、何かを子どもがするとすぐ叱られ「親が見ててください。」と言われます。

都市部は、ビルの中に子育てセンタ―みたいなのがあって、空気がピリピリして、親も気を付けなきゃって感じがします。

中村・下郷などには、新しい児童館が出来ていますが、どこの児童館の先生も優しいし、子供がなんかしても「そういうこともあるよね。」と言ってくれます。

 

児童館は充実していると感じます。
昔からあるようなおもちゃもあって、先生たちがとってもいいです。

お母さんたちが話し込んじゃってても、先生が見ててくれるし、先生に子育ての相談をすることもできます。

自分の子ども以外の子が泣くと、他のお母さんが抱っこしてくれたりして、都会にはない秩父ならではのことだと思います。
都会では、他人の子供には触っちゃいけない感があるので。

自分の子どもじゃなくても、可愛がってくれるだけじゃなくて、叱ってもくれます。
自分の子ども以外の子が悪いことをしていると、どっかのお父さんが来て「お前それだめだろ。」と言ってくれます。
それがとてもありがたいことだと思っています。

母親クラブに入り1500円位払うとイベントとかでもプレゼントもらえるし、児童館は無料で利用できます。

Q: 出産はどちらでしたか?

 

A:

出産は、第一子は秩父岩田産婦人科で、第2子は千葉のフリースタイルで出産できる助産院です。
この辺でフリースタイル出産が出来るのは熊谷市ですね。

岩田産婦人科は、リフレクソロジー呼吸法を練習してからの出産方法なので良かったです。

 

Q: 移住の決め手はなんだったのですか?

 

A: 

移住の決め手は、秩父は地震対策に良い土地で、住んでみて自然環境がよく、空気も美味しい、食べ物もおいしい、人も優しいのでここに家を建てました。

最近、食の安全に気を付けてて、秩父にも自然食品や無農薬野菜を売るお店があったりして、そういうのも決めてでした。

 

Q: 秩父市の良いところはなんですか?

 

A: 

お祭りごと、イベントも多いのも楽しくていいですね。

子育てで言うと小学校入学前の子供を「花の森こども園」に預けました。
このこども園は、自然の中で子どもの心を育てる場所を作りたいという理念で作った幼稚園で、様々な体験をさせてくれます。

稲刈り、田植え、大豆を植える、刈る、そういう経験を通して自然の有難さを感じる。食べることを学ぶ。
そんな他ではできない体験をさせてもらえるところです。

こども園では、毎木曜日に「同じ釜の日」があります。
その日は自分たちでご飯を作って食べます。
昔ながらの生活の知恵のようなこともやったりします。

そんなこども園の様子を皆さんにも見てほしいです。

その他にも『朝の会』というのがあります。
先生が「まず空を見ましょう。」

今日はどんな日になるかな?と子供たちに訊ねます。

私の子供は、そういう教育をしてもらった結果、朝来て行く服を選ぶときに、親が着せるのではなくて、子供が感じて服を選べるようになりました。

例えばこんな感じです。

朝、服を選んでいると、空を見て「ママ今日は曇っているから寒いと思うよ。」と言い、

私が「じゃあ実際に感じてごらん。」と言って窓を開けて外の空気を感じさせてあげました。

それで、「今日は寒くなるからこの服を着ていくよ」と、4歳の男の子が自分で選びます。

このように生きていく知恵を学べます。

都心部では、地方に行きたい、自然の中で育てたいと思う若者が多くなっている中、踏み切れないひとつの理由は、
”子育てをサポートしてくれる人がいないのではないか?”
と思っているからだと思います。

 

Q: 住んでみて良くなかったこと、不自由に思ったことはありますか?

 

A:

・水道料金が高いですね。
・阿保付近に公園がない。

(注)水道料金については、これからも美味しい水を飲むために、旧い水道管を新しくしなければいけないことを説明しご理解いただきました。

 

そして早坂さんから、さらに興味深いご提案をいただきました。

 

―学校給食を変えていきたいです。
こどもの発達障害、大人の精神疾患、高額医療費の原因が食にあることを着眼して、子供の頃からの食育を本物の食べ物を食べさせようという取り組みがあります。
小鹿野町の学校給食を変えようという動きがあります。

千葉のいすみ市が特別栽培米(減農薬)を取り入れているように、学校給食にも、そこまでできなくても地元の野菜を使った給食にするなどしていったら、将来食への関心も増えて農業従事者も増えるのではないでしょうか。

結果、地元に残る人も増えるのではないでしょうか。

 

それによって、人も医療費軽減、元気な人も増える、薬を飲まない人も増える、千葉だけでなく、ここ秩父もそういうことに取り組んでやっていきたいと思っています。

将来を、さらに未来を見据えて。

日本人が日本人なのに、日本食から離れている。
日本食から離れた結果、病気が増えている。

親もきれいきれいし過ぎない、農業を体験させる、考えてるだけじゃなくて動いていかないといけないと思います。
発信して繋がっていって、日本を守っていかないといけないのではないでしょうか。

スーパーで、安全安心のものも買える場所も増やしてほしいと提案してきました。結果、影森のベルクやヤオコーの調味料も無添加なものに変わってきています。

お母さんが変わると、お父さんも元気になり、家族が元気になります。
周りが変われば、安全安心のものを買えるお店も増えます。

私は特に秩父のお年寄りが大好きです。
その人たちの健康を守るのは、病院じゃなくて食を正すことによって守っていきたい。

神川町でオーガニックフェスをやっている方たちが、秩父でやってみたいと言っていました。
東京とかでやるオーガニックフェスには、人が殺到しています。

秩父市でもやれば、私たちだけでなく、外からの人がやってきます。
農家さんにお金が入るためには、そういうイベントもやらないといけないと思います。
その結果、地元の人が潤って循環していくので。

秩父市をもっと盛り上げていきたいです!