第58回全国国保地域医療学会
徳島市の第58回全国国保地域医療学会に参加し発表しました。
秩父市では「健康長寿ちちぶ」をめざしており、特定健診にて推定塩分摂取量を測定し、他の検査項目との関係を調べました。
方法は、秩父地域1市4町で、平成25年度より特定健診で、尿検査による 「1日推定食塩摂取量」 の測定を追加しました。結果を統計処理でp<0.05を有意差ありと判定しました。健診受診者数は3,866名、糖尿病治療群は653名、健常者+糖尿病非治療群は3,213名を対象としました。
まず、塩分の中央値は、女性で1日9.4g、男性で9.7gで、その上下を高塩分摂取群と低塩分摂取群としました。
①塩分摂取量と収縮期血圧の関係は、全体で、男女とも高塩分群のほうで収縮期血圧が有意に高く、一方、糖尿病治療群で、女性は高塩分群のほうで収縮期血圧が有意に高い結果となりました。
②塩分摂取量と拡張期血圧の関係は、全体と糖尿病治療群ともに、女性で高塩分群のほうが、拡張期血圧が有意に高い結果となりました。
③塩分摂取量と腹囲の関係は、全体と糖尿病治療群ともに、男女とも高塩分群のほうで腹囲が有意に多い結果となりました。
④塩分摂取量とメタボの有無の関係は、全体と糖尿病治療群ともに、男女とも高塩分群で メタボ が有意に多い結果となりました。
⑤塩分摂取量とBMIの関係は、全体と糖尿病治療群ともに、男女とも高塩分群のほうが BMI が有意に高い結果となりました。
⑥塩分摂取量と脂質異常症の関係は、全体と糖尿病治療群ともに、男女とも塩分摂取量と脂質異常症患者数の比率には相関がありませんでした。
⑦塩分摂取量と中性脂肪の関係は、全体と糖尿病治療群ともに、女性では高塩分群のほうが中性脂肪 が有意に高い結果となりました。
⑧塩分摂取量とHDL-Cの関係は、全体と糖尿病治療群ともに、女性では高塩分群のほうがHDL-C が有意に低い結果となりました。
⑨塩分摂取量とHbA1cの関係の関係は、全体で、女性の高塩分群のほうでHbA1cが有意に高く、一方、糖尿病治療群では、男女とも塩分摂取量とHbA1cには関係なく、これに対して、糖尿病非治療群では、女性の高塩分群でHbA1cが有意に高値となりました。
結果は、秩父地域では 塩分摂取過剰の影響は性差があり、女性は男性と比較して、塩分摂取過剰でした。このため様々な生活習慣病、とりわけ、糖尿病などに影響を及ぼすことが分かり、今後、健康寿命の延伸に向け健康意識の高い市民を増やし「健康長寿ちちぶ」を目指していきたいと存じます。
Taking in too much salt intake causes lifestyle-related diseases, especially diabetes. We have been carrying out the examination of salt intake for one person in 3,866 examines during 2 years. As a result, the numbers of residential female for hyper salt intake tend to be more than that of man and relate to metabolic syndrome as well as hypertension. We have to care of decreasing the salt intake in our city.