私のコロナ対策案
皆さん、こんにちは。秩父市長の久喜邦康(日本医大昭和55年卒)です。長文で失礼します。
国内で感染者が急増し、この埼玉県を含めた「緊急事態宣言」の都道府県でも連日増加の一途となっております。この事態をなんとかできないかと、四六時中私自身、考えております。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染は、押谷教授の言われるように、クラスター(Cluster)対策が中心であった第1期に対して、3月15日を境に患者の急増の第2期(Phase2)に入っております。さらにお彼岸の3連休で外出が増え、発生に拍車をかけてしまいました。現在は、感染経路が7割以上不明であり、この方々が3密(密閉・密接・密集)のもとで、さらに各地でクラスターを発生させ、東京都では感染爆発(overshoot)寸前の状況となっているとも言われております。
今、ベストセラーのカミュ著「ペスト」という小説を興味深く読んでいますが、194?年アルジェリアの小都市でのペストの発生で、半年間の都市封鎖(lock down)で起こった人間模様を描いた作品ですが、今のCOVID-19に実に近似しております。
さて本論に戻しますと、この現状を如何に打破するか、ご批判を覚悟して、自分なり方策を考えました。
まず、前置きとして、法的拘束力が伴わない以上、「緊急事態宣言」をもっと早く出すべきだったと思います。3月終わりまでには発令すべきであったと思います。
①今の第2期では、今までのクラスター対策と合わせて、PCR検査をもっと拡充すべきと考えます。多くの人々が今、見えない敵に感染しているのかが分からず不安を抱いております。またCOVID-19ではない発熱者が県民サポートセンターに問い合わせてもPCR検査を受けられず、行き場が無くなっております。まずはPCR検査を積極的に行って方向性をつけること!さらにこのことが若者に多いと言われる無症候性伝染者(asymptomatic transmission)の発見にもつながります。
その方法として、かかりつけ医の判断や本人の有熱や味覚障害などの有症状の方に対して、発熱外来またはドライブスルー方式でPCR検査を行う(鳥取県では国内初で行っているhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO57874110Z00C20A4LC0000/)。これで陰性が判定出来れば、一般医療機関もしくは市立病院で発熱の診療を行う。さらに、救急患者にCOVID-19がまぎれ込んでいる事態も発見できる。今度、私も会員でもあります秩父郡市医師会へご協力をお願いして参ります。恐ろしいことは、救急輪番病院で院内発生した場合は救急診療が行えなくなり医療崩壊となることです。
②受け入れ施設として、COVID-19患者を軽症と中等度、重篤と分け、それぞれの施設で診療を行う。埼玉県は東京都と同じく軽症者の施設を確保しているようですが、これは私も賛成で、自宅待機は家族内の感染拡大に繋げる可能性があります。この区分分けで秩父地域全体で動いて行きたいと考えております。
③補償を確保して3密店舗には閉店を! マスク配布(写真のように自家製マスクが良いですよ)よりも、閉店や雇用維持に翻弄されている店舗にイギリス(休業を強いられる非雇用者に対する給与の8割補償)方式を導入して頂きたい。これにより自宅待機の強化ができます。秩父市では残念ながらこれを行うだけの財源はなく、現在はハイパワー資金8億円融資+αです。
④リモート授業! 休業中の学生が街中を集団で歩いている光景を見かけます。来週から指導を強化するように教育委員会に申し出るつもりです。これとともに子どもには学校独自のインターネット授業を早期に始めていただきたい。秩父市では、早急に独自で開始いたす予定です。
私も、医師の市長として、今のままでの全てを壊していくであろう強力な敵、COVID-19に全力で立ち向かう覚悟です。ご覧の皆様も最前線で闘っている医療関係者や保健所職員に、拍手を送って頂くと幸いです。そして皆様ができること、3密を避け、できるだけ家にいる(stay home)にご協力下さい。できるだけ早くCOVID-19を終息させ、明るい楽しい社会を取り戻しましょう!
追伸:写真のごとく、市役所窓口には対面シールドと手袋着用を指示しました。市民の皆様のご理解とご協力をお願いします。